アイロン掛けの手順①ワイシャツ編
20数年間、アイロン掛けを続けてくると、自然と身に染みこんだ手順というものができている。特に何かを参考にしたり調べたりした訳ではないが、試行錯誤の中から自分にあったアイロン掛けのプロセスができあがっているのでこれを紹介したいと思う。
ワイシャツ編
ワイシャツのアイロン掛けは、手早く順序よく行うことが重要。もたもたしていると一度掛けたところがしわになったりするので、そこに気をつけながら、手際よく仕上げる。
最初は衿。衿(えり)はアイロン掛けしたあとはしわになりにくいので、いちばん最初に掛ける。衿を表にして広げ、剣先(衿の尖った部分)から逆側の剣先まで一気にしわにならないようにアイロンを滑らせる。掛け終わったあとはしわになりにくい衿ではあるが、一度しわになったらしわを取りにくいので、アイロンをあてる時はしわにならないように慎重にあてる。十分スチームを効かせながら掛けると良い。
次に袖。袖も生地が硬いので、アイロンを掛けたあとはしわになりにくいが、掛けるときしわにならないように注意が必要。袖もアイロン台にしっかりと伸ばし、上からアイロンで体重をかけるようにプレスする。
袖のプリーツは、シャツの仕様によって折り方がまちまちなので、プリーツの形状を良く見て、一気に上からプレスし型を整える。
袖は袖口からアームホール(脇の部分)まで掛け終えたら、ひっくり返して逆側も掛ける。
右袖が終わったら、左袖。先に左を掛けたら右袖へ。袖は左右をかける。
アームホールまで掛けたら逆へ。
袖の細かいプリーツは、空いてる方の手で生地を引きのばしながらアイロンをあてていくと、比較的きれいにまとまる。
生地のひろい部分は、アイロンを大きく滑らせ、しわを伸ばしていく。
アームホールの生地のつなぎ目も、しっかりおさえながらしわを伸ばす。
剣ボロ(袖のボタンを留めてある部分)はボタンをよけながら掛ける。ボタンの裏からアイロンを乗せて掛けると、何回か掛けていくうちに生地がボタンの裏だけ破れてしまうことがあるので気をつけて。
次はヨーク(肩の部分)。アイロン台をうまく使って肩の部分がまっすぐ広くアイロンにあたるように広げる。
背中のプリーツをよけながら、しっかりと掛けていく。
右から左までヨークの部分の隅から隅まで掛ける。
生地が二重になっているので、ここもスチームを十分に効かせながらしっかりとプレス。
次に前身頃。着ていていちばん人の目に触れるところでもあり、ここは最もしっかりとしわを伸ばしたい部分でもある。
胸ポケットも生地が二重になっているので、スチームを効かせてしっかりとプレスする。
しっかりとしわが伸びると、気持ちもスッキリ。ここがワイシャツアイロン掛けの醍醐味でもある。
次に後身頃。いちばん生地の広い部分でもあるので、アイロンの温度に気をつけながら掛ける。途中でアイロンの温度が下がったら、一度温度を上げ直して掛ける。
肩のヨーク部分、アームホール、前身頃と生地のつなぎ目も多いので、隅から隅までしっかりとアイロンを滑らせてしわを伸ばしていく。
そして、逆側の前身頃。アイロン台を上手に使って生地を平にしておく。
生地を引っ張り、伸ばしながら一気に掛ける。ボタンとボタンの間も忘れずに。
仕上げは肩の部分。
二重になった生地がさらに側なるので、上から体重をかけしっかりとプレスする。
そして逆側。
ボタンダウンの場合は、ボタンをよけながら肩のラインを出す。
全体掛け終わったら、しわにならないようにすぐにハンガーに吊るしておく。
以上が、ワイシャツのアイロンがけの手順である。僕の場合はワイシャツは柔らかめに着たいので、スプレー糊は使わないが、もっとプレスを効かせたいならスプレー糊を使うと良いと思う。ただし、スプレー糊を使いすぎると、アイロンの底やアイロン台が焦げることもあるので注意。スチームでしわが伸びにくい場合はアイロンスムーサーを利用してみると良いと思う。
しわを伸ばして気持ちもリフレッシュ!
是非皆さんも、自分でアイロン掛けにチャレンジしてみてください!